豊かな自然に囲まれたイギリスの湖水地方。青いジャケットを着たいたずら好きなうさぎ・ピーターと自然を愛する心優しい女性ビア(ローズ・バーン)が暮らすお隣に、大都会ロンドンから神経質そうな男性トーマス・マグレガー(ドーナル・グリーソン)が越してくる。両親を亡くしたピーターにとってビアは心を許せるたった一人の女性だったが、マグレガーも美しいビアに次第に惹かれていく。ピーターはライバルとなったマグレガーを都会に追い返そうと様々ないたずらを仕掛け、マグレガーも大人げない行動で反撃する。ビアはそんな二人を暖かく見守っていたが、あるアクシデントをきっかけにマグレガーがロンドンに戻ることになり、ピーターの心に変化が訪れる。
●監督 ウィル・グラック
これどういう世界?映画 その②
よくお皿の絵柄だったりするピーターラビット。
絵本であることは知っている。
ほうほう、その絵本の実写化ですか。
それは家族で楽しめるほのぼのファンタジーなのだろうか?
…やってくれたな。
カワユイうさちゃんが、悪戯兎として人間相手にガチバトル!
ポイントは、
「いたずらウサギ」じゃないですよ。
「悪戯兎」です。
なんか漢字で書いた方が、毒々しいと思いません?
だってそうなんだもの。
野生の小動物の世界
イギリスの田舎でピーターラビットと三つ子の妹たち、いとこのベンジャミンと森で生活をしている。ピーターたちを優しく扱ってくれる画家の女性ビア(ローズ・バーン)とも仲良し。
では餌を得よう。
マクレガー家の畑で菜っているたくさんの野菜を盗み食い!えええーっ!
マクレガー爺さんはその自宅農園に罠を張り巡らすが、ピーターはその裏をかき、農園の野菜を食べ放題!
そんな時、マクレガー爺さんは息を引き取る。
ピーターたちはマクレガー爺さんという主人のいなくなった農園と家は森の小動物たちの天国と化してしまう。
これまだまだ冒頭なんですが、ちょっとドン引きです。
ウサギのピーターは見た目はモフモフで可愛いウサちゃんですが、とんでもない悪ウサギ。人が一生懸命育てた農園に忍び込んでは野菜を盗みまくる。
マクレガー爺さんも、ピーターの両親を捕まえてパイにして食べたという。
そういう因縁もあって、ピーターvsマクレガー爺さんという図式なのだが、「トムとジェリー」のようなイタズラレベルに見えなくて、そこもドン引き。
マクレガー爺さん演じるのはサム・ニール。
マクレガー家との戦いは終わらない
マクレガー爺さんが亡くなって、屋敷と農園の遺産を相続したのは、甥のトーマス・マクレガー。彼は「ハロッズ玩具」で昇進を狙っていたが、昇進を逃した際に暴走してしまい解雇。
マクレガー大叔父の屋敷と農園を見に来たら、そこはピーターたちによってとんでもなく荒らされていた。
トーマスvsピーターの戦いの火ぶたが切って落とされた。
隣に住むビアと知り合ったトーマス。2人は生活の中でお互い惹かれ合っていった。
ピーターたちに優しかったビア。
トーマスvsピーターの戦いはより激化して行くのである。
トーマス演じるのはドーナル・グリーソン。
スターウォーズのファースト・オーダーのダメ将軍のハックス将軍です。
小馬鹿にされる役がお似合いで(笑)
原作「ピーターラビットのおはなし」
絵は知っていても、内容まで知らないワタクシのような人間は、映画と原作の違いがよくわかりません。
忠実なのか、アレンジしてあるのか。
しかしあのピーターの邪道っぷりは、さすがに原作を暴走していると思ったのです。
原作あらすじ…
ある日、母親うさぎは子うさぎたちに「お父さんはマクレガーさんの畑で事故にあい、奥さんにパイにされた。マクレガーさんの畑には行ってはいけない」と話します。しかし、外に遊びにでた子うさぎのうち、いたずら好きのピーターだけは母親うさぎの忠告を破り、マクレガーさんの畑に入り込んでしまいます。そこで大切に育てられた野菜をつまみ食いしていたところを、マクレガーさんに見つかり追い回されることに…。
あんま変わらん。
それより原作の方が、マクレガー爺さんとの戦いは命懸けらしい。設定で違うのは、女性画家のビアとトーマス・マクレガーが登場しないこと。
ビアの名前は、原作者のビアトリクス・ポターさんからとったように思います。
トーマスとビアを巡っての戦いを描くのに、ピーター自身も大人っぽくて原作年齢より高め。
原作の数年後という設定なのかも。
ほのぼのしない
モフモフのウサギを筆頭に、鳥、ハリネズミ、ブタ、スカンクなどの動物たちが登場して、コメディ要素満載で面白おかしい。とは言っても、「絵本」というイメージとはかけ離れたキャラたちでやることなすこと、動物も人間もぶっ飛んでる。
ウサギ駆除にトーマスはダイナマイトまで買い込む。
ほのぼのファンタジーではないが、はっちゃけコメディとしてなら充分に面白いと思う。やり過ぎ感もするけども、お互いがマイナス要素だらけで失敗を通して成長するというファンタジーの王道な展開もいいですね。
どういう世界?
動物同士が会話する。←わかる。原作ではどうか知りませんが、絵本の世界で動物と人間が会話する。←わかる。
実写映画で動物と人間の会話←?
劇中で動物同士で会話するのが当たり前すぎて、ふと動物と人間の世界観がよくわからなくなる。
これは一体どういう世界なんだ?
当然、今作の悪ノリ演出に、原作ファンはお怒り。しかしそのギャップがウケた原作ファンがいたのか、または原作を知らない人が「こんななの?」と悪ノリを楽しむ。
なんと続編も決定。
モフモフな動物が悪態をつく作品がまた誕生しました。
でも、そろそろ目新しくなくなってきたか?